スマートフォンやパソコンは今や、海外旅行や海外出張の必須アイテムの一つです。地図情報を見たり、お店を調べたり、万が一のトラブルの際もスマホを持っていれば安心ですよね。現地からInstagram、Facebook、Twitterに投稿して、みんなで共有したいと考えている方も多いと思います。
そこで気になるのが、海外でのインターネットの通信手段。携帯電話会社の海外パケットプラン、レンタルWiFi、現地のフリーWiFi、現地でSIMカードを購入…など、手段はさまざまです。
ここでは快適な通信環境を確保するために、各接続方法におけるメリットやデメリット、インターネット接続に関する知識・注意点など、知っておくと便利な情報をまとめました。
1. 海外でネット接続、多いのは「ホテルのWiFi」「レンタルWiFi」
2017年4月~2018年4月に、プライベートで海外旅行をされた方を対象に行った「海外旅行時のインターネット利用に関する調査」(MMD研究所および株式会社コロプラ調べ)によると、海外旅行時のインターネットの通信方法は、「ホテルのWiFi」を利用されている方が50.6%と最多。次いで「WiFiレンタル」が47.7%、「現地の空港のWiFi」が29.7%、「携帯会社が提供している定額制サービス」が18.6%という結果になっています。
なお、「インターネットは利用していない」という方はわずか2.3%で、海外でも日本と同じようにインターネットを利用している方が多いという実態がわかります。
さらに、ホテルのWiFiやレンタルWiFiを利用する方が多いのは、セキュリティ面の高さを意識していることの現れかもしれません。
ところで、海外にも日本と同じように無料で使えるフリーWiFiスポットは増えています。ショップや施設などでサービスの一環として提供しているところも多く、気軽に使える点では便利です。
しかし、フリーWiFiはセキュリティで不安な一面があるのも確かです。スマートフォン内で登録している個人情報やパスワード、クレジットカード情報など、万が一盗まれてしまった場合、被害の大きさははかりしれません。情報漏えいはもちろん、盗まれた情報により、犯罪に巻き込まれるケースもあります。海外旅行時にインターネットを利用する際には、日本国内以上に慎重に通信方法を検討する必要があるでしょう。
2. 海外でのインターネット接続方法
改めて、海外でインターネットに接続する手段を紹介しましょう。
- 日本の携帯電話会社が提供する海外パケットプラン(国際ローミング)に加入する
- 現地の空港や駅、レストラン、カフェ、ホテルなどで提供する無線LAN(WiFi)を使う
- レンタルWiFiを使う
- 現地の通信会社で契約する
- 現地のSIMカードを購入する
4、5は長期滞在の手段です。ご自身の滞在期間や過ごし方、通信の頻度などによって、最適な方法を選ぶことで、準備の手間や負担、費用などを減らせるでしょう。 では、それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
3. 日本国内携帯電話会社の海外パケットプランについて
日本の携帯電話会社では、海外でインターネットを使うための定額プランを用意しています。内容は会社によって異なりますが、事前申込が必要な場合と、自動的に適用となる場合もありますので、ご自身が契約している携帯電話会社の加入プランを確認し、検討しましょう。
主要3キャリアが提供する主な海外パケットプランについて、以下にまとめました。
(2019年10月時点)
docomo | ||
---|---|---|
海外利用 プラン名 |
海外パケ・放題 | パケットパック 海外オプション |
プラン内容 | 最大2,980円 (免税) ※20万パケット(約24.4MB)までなら1,980円 |
国内で契約中のパケットプランのデータ量が、海外でも使えるサービス。 |
申込の有無 | 不要 ※国内の所定のプラン、サービス等に加入していることが前提 |
必要 |
au | |
---|---|
海外利用 プラン名 |
世界データ定額 |
プラン内容 | 980円/24時間 |
申込の有無 | 不要 |
Softbank | |
---|---|
海外利用 プラン名 |
海外パケットし放題 |
プラン内容 | 国内で契約中のパケットプランのデータ量が、海外でも使える定額サービス。 |
申込の有無 | 不要 |
申込の有無はあるにせよ、自分のスマホをそのまま使えるのがいいというのと、海外で利用した分も合わせて請求されるというのも、海外パケットプランのよい点です。少し割高な印象はありますが、以前と比べてリーズナブルに利用できるようになりました。
4. フリーWiFiスポットを利用する
フリーWiFiはお手軽だがセキュリティに注意
海外は日本よりもフリーWiFiの普及率の高い地域が多いので、フリーWiFiに頼って通信をするという方もいらっしゃるかもしれません。移動しながらの通信でなければ、カフェで一休みしながら、インターネットをすることもできますし、何より無料というのが魅力です。
フリーWiFiといっても、施設利用者に限定していたり、カフェなどではレシートにパスワードを印字していたりと、さまざまな方法で提供しています。空港によっては時間制限を設けて、無料で提供していたりもしますので、渡航前に現地のフリーWiFi環境について調べておくとよいでしょう。
●人気渡航先、主要国際空港のフリーWiFi事情
(2019年10月時点)
【アメリカ】
- ロサンゼルス国際空港 端末1台あたり30分まで(通信量は最大5MBまで)
- サンフランシスコ国際空港 4時間無料
- ワシントン・ダレス国際空港 時間制限なし
- ジョン・F・ケネディ国際空港 30分間(Boingo Hotspot)
- シカゴ・オヘア国際空港 45分間(Boingo Hotspot)
- シアトル・タコマ国際空港 時間制限なし (SEATAC-FREE-WIFI)
- ミネアポリス・セントポール国際空港 2時間制(MSP Free Wi-FiまたはBoingo Hotspot)
- オーランド国際空港(フロリダ) 時間制限なし
- ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル国際空港)45分間(Boingo Hotspot)
【韓国】
- 仁川国際空港 時間制限なし(AirportWiFi(2.4G))
【インドネシア】
- ングラ・ライ国際空港(デンパサール) 時間制限なし(@NgurahRaiAirport)
【ベトナム】
- ノイバイ国際空港(ハノイ) 時間制限なし(NIA-MegaNet Free WiFi)
- タンソンニャット国際空港 時間制限なし(.TSN Free WiFi Express)
【台湾】
- 台湾桃園国際空港 時間制限なし(iTaiwan)インフォメーション(旅客服務中心)でパスポート提示
【香港】
- 香港国際空港 時間制限なし(#HK Airport Free Wi-Fi またはWi-Fi.HK via HK Airport)
【タイ(バンコク)】
- スワンナプール国際空港 時間制限なし(.@AirportTrueFreeWiFiまたは.@AirportAISFleeWiFi)
※AISFree・・の方はメールアドレス、パスポート番号の入力が必要
【イギリス(ロンドン)】
- ロンドン・ヒースロー空港 45分間無料 (_Heathrow Wi-Fi )
※名前、メールアドレス、搭乗便入力でログイン - ロンドン・ガトウィック空港 90分間無料(Gatwick FREE Wi-Fi)
【フランス(パリ)】
- シャルル・ド・ゴール国際空港 15分間無料(WIFI-AIRPORT)
フリーWiFi利用時に一番気を付けたいことは、やはりセキュリティです。スマートフォンなどの通信機器には、個人を特定できる情報やSNSアカウントなどが詰まっています。フリーWiFiを利用したことで、アカウント情報、クレジットカード情報などが抜き取られるなどのトラブルや、ウィルスに感染する可能性もあるので、そこを理解したうえで十分注意して利用する必要があります。
提供元(カフェ、レストラン、ホテル等)がわかるフリーWiFiだからといっても、公衆無線LANですので、不特定多数の利用者が利用しています。施設が提供しているフリーWiFiに交じって、悪意を持って偽のアクセスポイントを提供し、そこに流入してきた通信に攻撃を加えたり、情報を抜き取ったりと、犯罪の危険が潜んでいます。
フリーWiFi利用の救世主! VPN接続とは(セキュリティ対策)
フリーWiFiを安全に利用するために、VPN接続という安全性を高める方法があります。
VPN(Virtual Private Network)とは、仮想の専用線でネットワークを繋ぎ、安全なデータ通信環境を実現する仕組みです。VPN接続で利用している端末と接続先を暗号化して繋ぐため、情報を抜き取られるなどのリスクを軽減できます。
VPN接続にもいろいろな方法がありますが、代表的なのが「VPNアプリ」「VPNサービス」です。ともに無料版がありますが、セキュリティの高さから比較すると有料版のほうが無難といえます。有料版でも1年間のライセンス購入で数千円程度から導入できるので、リーズナブルに利用できます。
ライセンス購入をしておけば、海外はもちろん日本の無料WiFiスポット利用時も使えるので、安心かつ便利です。接続するデバイスも1台から複数台プランもありますので、お持ちのスマートフォンやパソコン等接続したいデバイスの数量で選んでみましょう。
VPN接続で注意したいのは、その国で使えるかということ。個人の場合は接続制限している国などもありますので、渡航前に調べておきましょう。
【無料版】
- 「VPNサービス」
http://www.vpngate.net/ja/ - 「VPNネコ」(アプリ)
- 「SoftEther VPN Client」
https://freesoft-100.com/review/softether-vpn-client.html
【有料版】
- 「マカフィーsafe Connect:VPN」
≫Google Play:https://play.google.com/store/apps/…… - 「Best VPN Proxy Batternet」
≫ App Store:https://itunes.apple.com/jp/app/……
データローミングはオフにして海外へ
データローミングとは、契約している日本の携帯会社が、電波の届かない海外へ行った時に、海外の電波を拾って通信できる仕組みのことです。日本国内では、契約しているキャリアの基地局の電波を拾うことで通信が可能になりますが、海外の場合、日本の携帯電話会社と契約している海外通信会社の電波を使用する仕組みになっています。 スマートフォンの設定でデータローミングをオンの状態にしておけば、海外の基地局の電波をキャッチして通信できる便利なシステムですが、契約携帯電話の通信料金が適用されるのではなく、従量課金制となるため、高額な通信料を請求される可能性があります。海外へ渡航する際に、国際データローミングを使用しない場合は、データローミングをオフにしておくことが必須です。
≫データローミングをオフにする方法(モバイルデータ通信をオフ)
5. 現地SIMカードを購入して利用する
現地でSIMカードを購入して、海外にいる間に使っている方も多いと思います。プリペイド式なので、使い過ぎて後で莫大な請求が来る心配もありませんし、使い切ったらチャージができるタイプが主流なので便利でしょう。
初めて利用する場合は、まずご自身のスマートフォンが、SIMフリーとして利用できるかを確認しましょう。SIMフリーであれば、現地でSIMを利用しての通信が可能です。
携帯電話会社で購入したスマートフォンには、キャリア側でSIMロックが義務付けられています。個人で解除できませんので、加入している携帯電話会社でSIM解除の設定を依頼しましょう(手数料がかかります)。Apple直営店で購入したiPhoneの場合、ロックが解除されているので自身でSIMカードの入替が可能です。
現地SIMカードは、日本国内でも購入可能です。インターネットでの購入はもちろん、家電量販店などでも買うことができます。その国でしか使えないSIMから、複数国で利用可能なグローバルSIMのタイプもあるので、渡航状況によって選択しましょう。
渡航先の現地に着いてから、空港や現地の販売店で購入することもできます。日本で購入するより安いものの、SIMカードにはさまざまなタイプがありますので、現地の言葉が話せるのであればお店で聞いたりして買ってもよいでしょう。現地で時間がない、現地の会話に自信がないという方は、渡航前に日本で購入して準備しておくことをおすすめします。
(1)SIMカード購入前の確認ポイント:通信方式について
2019年2月現在、世界には2Gから4Gまでの通信方式があります。GとはGenerationの頭文字で、通信速度を表す通信規格。現在最速と言われているのが4G(LTE)です。
通信方式は国によって異なるため、4Gの電波はキャッチできるが、3Gの電波が拾えないといった場合もあります。通信方式は合っているのに、現地SIMに変えても電波が繋がらないなどの現象が起きた場合、自分のスマートフォンの通信周波数帯と渡航先通信会社の周波数帯が合っていない可能性が考えられます。周波数帯のチェックは忘れずにしておきましょう。
(2)SIMカード購入前の確認ポイント:サイズ
SIMカードのサイズは、標準SIM、micro SIM、nanoSIMの3種類が一般的です。ご自身のスマートフォンからSIMカードを抜き取って、大きさと形を見ればわかりますので、サイズを間違わないようにしましょう。
(3)SIMカード購入前の確認ポイント:音声通話をするか?
SIMカードの種類によっては、データ通信のみで音声通話ができないものがあります。通話をされる方は確認を。なお、LINEやSkypeなどのアプリを介しての通話については、データ通信として扱われるため音声通話なしのタイプでも利用は可能です。
(4)SIMカード購入前の確認ポイント:データ通信量 or 期間
1GB、3GBなど通信量が指定されているタイプと、14日間や30日間など通信期間を設定しているものがあります。期間指定のSIMカードは、1日の通信量を制限しているものがほとんどです。滞在期間や使いたいデータ通信量に応じて、いずれかを選択しましょう。
6. 現地でスマホを契約する
留学やビジネスなどで長期間滞在する方や、頻繁に同一国へ行かれる方は、現地でスマートフォンを契約する方法もあります。その場合も、SIMフリーのスマートフォンであれば、現地の回線業者で契約をすれば利用できます。主要先進国であれば、日本と同様に通信回線業者が複数あります。プリペイド式、定額制などプランも選べることが多いので、ご自分にマッチしたプランを検討しましょう。
料金だけでなく、通信状態の安定性も契約前に確認しておく必要があります。語学に自信のある方は現地契約を検討してもよいでしょう。
滞在が数カ月以上になる場合は、日本の携帯電話会社の通信を止めておかないと、そのまま請求が発生します。各携帯電話会社には、休止制度というものがありますので、渡航前に契約している携帯電話会社に回線休止を申し込むことをお忘れなく(携帯電話会社によって、休止期間は異なります)。
7. 海外用レンタルWiFiを利用する
最近、主流の通信方法は海外用レンタルWiFiルーターでしょう。成田や羽田、関西国際空港などはもちろん、国内の地方空港や渡航先の海外の空港で貸出しているところもあります。
レンタルWiFiのメリットは、定額であることと、ルーターごとにパスワードを設定してあり安全性も保たれていることに尽きます。接続方法も簡単。ポケットサイズなので持ち運びも便利です。また、複数のデバイスに同時接続ができるため、グループでシェアしてリーズナブルに使えるのも人気の理由です。
以下に、レンタルWiFiを利用する際の気になるポイントを、まとめました。
(1)LINE、Instagram、Twitter、Skypeを利用したらどれくらい通信量がかかるのか?
LINE | |
---|---|
トーク (文字だけ) |
2KB / 1回 |
スタンプ | 5~10KB / 1回 |
画像送受信 (低画質) |
300KB / 1枚 |
画像送受信 (オリジナル画質) |
300KB / 1枚 |
無料通話 | 300KB / 1分 |
ビデオ通話 (オリジナル画質) |
5MB / 1分 |
通常のトークで、1分間に約1MBといわれます。日常的によく利用するLINEですが、かなり通信量がかかっていることがわかります。
Instagram(インスタグラム) | |
---|---|
写真(動画)閲覧時間 | データ通信量 (動画のときの通信量目安) |
5分 | 70MB(35MB) |
10分 | 140MB(70MB) |
30分 | 420MB(210MB) |
60分 (1時間) |
840MB(420MB) |
120分 (2時間) |
1,680MB※1.6GB(840MB) |
180分 (3時間) |
2,520MB※2.5GB(1.2MB) |
意外かもしれませんが、動画の方がデータ通信の通信量が少ないのがInstagramの特徴。画像は高画質ですが、動画については圧縮されるため画像の閲覧よりも消費は少ないようです。5分程度の閲覧で、平均70MB、50MB~100MBくらいを目安として考えておけばよいですが、かなりデータ通信量がかかるアプリといえます。
Twitter(ツイッター) | |
---|---|
タイムライン時間 | データ通信量 |
5分 | 20MB |
10分 | 40MB |
30分 | 120MB |
60分 (1時間) |
240MB |
120分 (2時間) |
480MB |
180分 (3時間) |
720MB |
240分 (4時間) |
960MB |
300分 (5時間) |
1,200MB(1.2GB) |
上記はタイムラインを閲覧するだけのデータ通信量の目安です。投稿内容をクリックし、投稿先にリンクしたり、動画をクリックしたりすると、上記の約1.2倍程度のデータを消費します。クリックの頻度などによっても異なりますが、Instagramほどのデータ通信量はないようです。
Skype(スカイプ) | |||
---|---|---|---|
通話時間 | データ通信量 | ||
チャット | 音声通話 | ビデオ通話 | |
5分 | 2.7MB | 3.1MB | 20.9MB |
10分 | 5.4MB | 6.2MB | 41.8MB |
60分 (1時間) |
54MB | 62MB | 250MB |
120分 (2時間) |
108MB | 124MB | 500MB |
360分 (6時間) |
324MB | 372MB | 1,500MB (1.5GB) |
720分 (12時間) |
648MB | 744MB | 3,000MB (3GB) |
1,440分 (24時間) |
1,296MB (約1.3GB) |
1,488MB (約1.5GB) |
6,000MB (6GB) |
Skypeにはチャット通話、音声通話、ビデオ通話があります。チャット通話はLINEのトークと似ていますが、文字入力中の流れも見えているせいか、若干Skypeの方が通信量は高くなります。チャット通話、音声通話はさほど大差はありませんが、ビデオ通話となるとグッと通信量が上がります。海外滞在中に日本にいる家族や友人に、ビデオ通話をしたい方もいらっしゃるかもしれませんが、話し込むと通信量も大変なことになるので注意が必要です。
(2)SNSは通信量に注意
SNSでの通信は想像以上に通信量がかかることがわかります。楽しくてついつい時間を忘れて見てしまうことの多いSNSですが、数分、数十分と経過すると通信量も膨れ上がります。
そうなると、データ通信量の多いレンタルWiFiが気になりますよね。そこで、レンタルのWiFiルーターの通信量のタイプをみていきましょう。
(3)「大容量」「超大容量」「無制限」どれを選ぶ?
WiFiルーターは、利用する国によって1日あたり500円を切っている安いタイプもあります。この場合に注意したいのが、通信量の制限です。安い価格設定のものは1日あたりの通信容量が多くても500MBと決まっています。1日のデータ通信量を越えると利用できなくなるため、通信量を気にしながら使うことになります。また、複数のデバイスと接続している場合、それぞれに通信した分を合算して考えなければなりません。
また、「大容量」「超大容量」など、容量が大きいことをメリットとしてレンタルしているWiFiルーターもありますが、容量が大きいとはいえ、やはり1日あたりのデータ通信量の制限はあります。それほど通信する予定はない方は大丈夫かもしれませんが、SNSやマップアプリなども通信負荷がかなりかかりますので、価格帯の安さと通信量のバランスを検討する必要があるでしょう。
そこでおすすめしたいのは、「大容量」「超大容量」の上を行く「無制限」タイプのWiFiルーターです。通信負荷のかかるアプリなどを利用しても、複数のデバイスに繋いでも、通信量を気にせず安心して使うことができます。
「無制限」だと料金も高いのでは…と心配な方もいらっしゃるかもしれません。JALエービーシーの1カ国タイプのWiFiなら、インターネットからのお申し込みで1日あたり1,000円でご利用になれます。数人でシェアするなら、1日あたり数百円でインターネットにつなぎ放題なので、非常にリーズナブルではないでしょうか。ちなみに、JALエービーシーの1カ国(単国)タイプWiFiの利用可能国は下記の通りです。
【4G・LTEタイプあり】
アメリカ合衆国・ ハワイ・ グアム・ カナダ・ オーストラリア・ 中国・ 台湾・ 香港・ マカオ・ シンガポール・ タイ・ インドネシア・ ベトナム・ インド・ フィリピン・ マレーシア・イギリス・ イタリア・オーストリア・オランダ・スイス・スペイン・ドイツ・フランス
【3Gタイプのみ】
カンボジア・ミャンマー・ロシア連邦
(4)WiFiルーターの使い方・設定方法はとっても簡単!
海外WiFiルーターを利用したことがない方にとっては、使い方や接続方法など不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、使い方・設定方法は意外と簡単です。
まず、ご自身が海外で使いたいデバイス(PC、タブレット、スマートフォン、ゲーム機など)を用意し、WiFiの設定をオンにします。スマートフォンの場合、海外に出発する際に、モバイルデータ通信とデータローミングをオフにすることをお忘れなく。WiFiの接続をオン、モバイルデータ通信・データローミングをオフの双方を行っていなければ、WiFiで通信せず、海外キャリアの通信してしまい、帰国後、莫大な請求が来てびっくりということになりかねませんので、十分注意しましょう。
現地に着いたら、WiFiと繋ぎます。スマートフォンなら、「設定」から接続されているWiFiの機材についているID名を選択すると、パスワードを入力する欄が出てきますので、WiFiルーターについているパスワードを入力すれば、接続完了です。
8. 機内モードについて
機内モードとは文字通り「航空機内で使う方法」のことです。機内モードをオンにすると、モバイルネットワーク、WiFi、Bluetooth、位置情報(GPS)がオフの状態になります。
以前は機器自体の電源をオフにしなければならなかったのですが、機内モード機能のおかげで通信だけをオフにすることができるようになりました。スマートフォンなどにインストールしたアプリなどは、機内モードの状態でもアプリの起動だけはできますので、すでに受信済みの情報なら閲覧できます。
航空機の電波通信への影響から離着陸時には無線通信が制限されますが、それ以外の時間なら、機内WiFiを提供している航空会社であれば、機内WiFiを使ってインターネットや航空機内のエンターテインメントなどの利用が可能です。
(1)各社国際線機内WiFiについて
①日本航空
日本航空は、全クラス(ファーストクラス・ビジネスクラス・プレミアムエコノミークラス、エコノミークラス)において、最初にログインしてから経過した時間で、1時間、3時間、24時間の料金設定で、通信量無制限で機内WiFiを提供しています。JALカードでの支払いなら、割引が適用されます。
②全日空
全日空では一部の機種に限って、ファーストクラスは無料、その他クラスは有料で機内WiFiを提供しています。料金も機種ごとに異なり、また通信量の制限を設けています。
③シンガポール航空
シンガポール航空の機内WiFiは、一部の機種でデータ通信量ごとにプラン(有料)を分けて提供しています。SMSのやり取りなら、Chat (30MB)‐USD 3.99、メールの送受信や通常のネット閲覧程度なら、 Pro (100MB)‐USD 9.99、仕事や動画閲覧をしたい方ならPremium (200MB)‐USD 15.99がおすすめです。スイート、ファーストクラス、ビジネスクラス、およびPPSクラブ会員(※)であえば、無料WiFiを利用できます。
※スイート、ファーストクラスは無制限、ビジネスクラブ、PPSクラブ会員は100MBまで
④エミレーツ航空
エミレーツ航空は20MBまで無料で、Eメールやサイト閲覧ができます。また、2時間を上限に、WhatsApp、iMessage、Facebook Messenger、Viber、またはWeChatのメッセージを無制限で送受信可能とのことです。データ容量を超過して利用したい場合は、デビットカードまたはクレジットカードを使用してデータプランを購入することが可能。エミレーツ・スカイワーズ会員の特典として、ティアステータスにより、フライト中に無料または割引料金で機内WiFiを利用できます。
⑤デルタ航空
デルタ航空は機内WiFiを搭載したデルタ航空便に限られますが、iMessage 、Facebook Messenger、WhatsAppを通じて、メッセージ通信(※)を無料で利用できます。これらのアプリを出発前にダウンロードしておくと便利でしょう。機内WiFiは、WiFiを搭載した航空便に限り「Wi-Fiパス」を購入して利用できます。デルタ航空では、高速データ通信が可能な2Ku技術を搭載し、最高15Mbps以上の通信速度と信頼性を備えたWiFiを導入している航空機もあり、業界最速クラスの機内WiFiを誇ります。
※メッセージ通信は、テキストと絵文字のみ利用可能。写真、動画、SMSメッセージの送受信は非対応
2Ku導入済の機材(2019年10月現在)
737-700、 737-800 737-900 757-200* 757-300 A220 A319 A320 A321 A330-900 A350
また、デルタ航空では、すべての長距離国際線にKu技術を導入しており、上空10,000フィート以上でも、快適にインターネットを利用できます。
Ku導入済の機材(2019年10月現在)
A330 757-200* 767-300 767-400 777-200 *一部機材のみ
※Ku帯とは、無線通信で用いられる周波数帯域のうち、12GHz~18GHzの帯域のことをいいます。主に衛星通信を使用。12~18GHzの周波数帯域は地上波で一般的に使用されている電波よりも高周波であることから、電波が混み合いにくいといった特徴があります。
⑥マレーシア航空
マレーシア航空では、HConnectという、WiFiのパッケージプランを提供しており、ビジネススイート、ビジネスクラス、エコノミークラスで利用可能です。プランは、ライト(2USD(10MB/200Kbps)、ソーシャル(10USD(50MB/512Kbps)、ビジネス(25USD(200MB/512Kbps)の3つがあります。現金またはクレジットカードで、オンボードで行うことができます。A350の機材に限定されます。
⑦エア・カナダ
エア・カナダも国際線において、機内WiFiを提供しており、一部の北米およびカリブ海路線、国際線で高速通信が可能です。ご自身の出発地・到着地・利用日を設定すると、WiFiが提供されているか、サイト内で検索することができます。
長時間のフライトでは、ネット通信ができると便利ですし、退屈せずに機内で過ごせるので、搭乗する航空会社のサイト等で調べてから乗ることをおすすめします。また、同じ目的地であれば、WiFi通信の観点でどこの航空会社に乗るかを選んでもよいでしょう。
9. Fair Usage Policy(フェアユーセージポリシー)について
Fair Usage Policy(フェアユーセージポリシー)という言葉をご存知でしょうか?
ユーザーへ公平公正な通信を担保するため、世界のモバイル通信会社が制定した電波の公平な利用のための公正利用政策のことです。
申込者または利用者がWiFiルーターなどの通信機器で過大かつ過剰なインターネット通信(パケット通信)を行った場合、通信会社の政策もしくはサービス会社の判断により利用の中断や制限を行うことができます。
WiFiレンタル業者各社は、このFair Usage Policy(フェアユーセージポリシー)について触れています。仮に通信が止まっても、その貸出期間の1日あたりの通信料は請求されますので注意が必要です。動画の閲覧や大容量ファイルのダウンロード、オンラインゲーム、アプリやOSのアップデートなどは、控えた方が望ましいでしょう。
10. 使い方を工夫して、海外で快適な通信を
モバイルファーストからスマートフォンファーストになってきている現代、スマートフォンユーザーなら、海外でもスマートフォンで情報収集、情報発信が当たり前で、使い方も日本と海外で大差なく利用することが重要なポイントになっています。
海外では無料WiFiが発達しているところも多いので、無料WiFiスポットを利用している方も多いかもしれませんが、セキュリティ、通信速度の面からもレンタルWiFiは必ず持って行くという方が大幅に増えています。
レンタルWiFiのメリットはセキュリティと、持ち運びができるという点、料金も定額制なので安心という点が評価されているのかもしれません。また、使い方もレンタルWiFi会社で大差がなく、どの世代にも使いやすいということもあります。
ビジネスで利用される方なら、レンタルWiFiとご自身のVPN接続を利用するなど、安心して仕事ができることもレンタルWiFiが選ばれる理由といえます。
レンタルWiFiも安さ重視、キャンペーンなどを利用し、1日あたりの通信料金が数百円で利用できたりもしますが、通信量に制限があるケースも。通信量を気にせず利用したい場合は、無制限タイプが安心です。
また、利用料自体は安くても、その他の手数料を加算していったら、それ程安くなかった…という場合もあります。前述でのSNSでのデータ通信量でも触れましたが、海外でも日本と同じ感覚で通信をされる場合、レンタルWiFiを選ぶ方も多いのではないでしょうか。
データ通信量重視の方におすすめなのが、シンプルな料金設定で通信量無制限の「JALエービーシー 海外WiFi」です。海外WiFiの通信料金以外はすべて任意のオプション(安心保障料・モバイルバッテリー、宅配受取送料)で、その他の空港引き渡し手数料などは一切かかりません。最大5台まで接続可能ですので、みんなでシェアしたり、ご自身のデバイスが複数接続したりすることも可能です。
インターネットからのご予約なら、単国プランタイプは通信料1,000円/日で、データ通信量無制限で使うことができます。成田国際空港、羽田空港国際線、関西国際空港で貸出、返却が可能です。その他、ヨーロッパ周遊タイプ、56か国周遊タイプ、177か国周遊タイプもご用意しています。また、海外WiFiレンタル1台につき、JALのマイレージが200マイルがたまるのも魅力です。
海外WiFiレンタルもいろいろあるので、料金、利用国、利用シーン、受取・返却方法、受取・返却できる空港など、ご自分にあったものを選んで、海外での滞在をより快適なものにできるよう、検討してみましょう。
国内用も海外用も!
JALエービーシーのレンタルWiFi
JALABCのWiFiなら、国内用も海外用もデータ容量なんと無制限!
通信制限を気にせず使い放題!