海外旅行で頼もしい相棒となるスマートフォンなどの携帯端末。電話やメールだけでなく、地図を調べたり写真を撮ったりと、日本で使用している時以上に活躍してくれる存在です。
ただ、携帯には個人情報も入っているだけに渡航先での紛失は絶対に避けたいところ。 でも万が一、なくしてしまったら…!?本記事では、そんな時に対処方法について、解説していきます。
まずは落ち着いて回線の利用を中断!
これは日本にいる場合も同様ですが、携帯端末を悪用されることを防ぐため、まずは回線の中断手続きを行いましょう。
端末を悪用されれば、高額請求などの被害にもつながり兼ねません。仮に紛失が勘違いであっても、手続きさえ済めば利用再開できますので、躊躇せずスピーディに回線することが重要です。
中断手続きは利用しているキャリアのWebサイトからできることが多いのですが、PCを持っていない場合やインターネットの接続環境がない場合は、公衆電話などからカスタマーサポートに連絡をして、紛失または盗難にあった旨を伝えましょう。ほとんどのキャリアのカスタマーサポートは、国際電話に対応しています。
カスタマーサポートへの電話連絡では「利用を中断・停止する」という意思を明確に伝えましょう。過去にはこの部分が曖昧であったために回線が止められておらず、そのうちに不正利用されて帰国後にキャリアから高額な請求を受けたという事例もありますので、注意してください。
なお、スマートフォンには端末の位置情報を確認可能なものが多いので、そうしたサービスで位置情報を割り出してみるというのも一つの手ですが、「おおよその位置」しか掴めないため、発見まで至るのは難しいという現実もあります。あまり探索に時間を費やさず早目に利用中断手続きをとることをおすすめします。
現地警察に盗難届を提出
回線利用を中断して悪用される心配がなくなったら、次は渡航先の警察に向かい、盗難届を提出しましょう。
海外でモノを失くしたら「どうせ戻ってこないのだから」と諦めてそのままにしてしまう人も少なくないようですが、これはNG。盗難届を受理してもらうことは、被害を最小限に抑えるために重要なことです。
というのも、渡航の際に多くの人が利用する「海外旅行保険」には、携行品の損害補償が含まれています。盗難による紛失であれば携帯端末も補償対象となるのですが、警察が盗難届を受理した後に発行する「盗難証明書」がない場合は対象外となってしまう場合がほとんど。
せっかくの旅行期間中だからと、警察に行くことなく旅程をこなしてしまいたいところですが、帰国後の補償を期待するのであれば、「盗難証明書」を持ち帰ることが大切です。
「旅行保険には入っていないから関係ない」と考えている方も、お使いのクレジットカードに携行品損害保険がセットされている場合もありますので、忘れずチェックしてみましょう。
「置き引き」は補償の対象外!?
ここで注意しておかなければならないことは、紛失後に警察に行ったとしても、必ず「盗難証明書」をもらえるわけではないという点です。
というのも、「盗難」と「置き引き」は分けて考えなければならないからです。警察では、明確に「第三者によって盗まれた」ことがわかった場合に限り、盗難証明書を発行してくれます。それ以外の場合は、置き引きとして処理されてしまい、盗難証明書は発行してもらえません。
前述した通り、盗難証明書がなければ補償の対象外となってしまいます。自身の保険の対象範囲については、保険会社や旅行代理店に確認しておきましょう。
また、発行してもらった書類が「盗難証明書かどうか」も確認しておいた方が無難です。というのも、盗難証明書は現地の言語で書かれるため、文字が読めない場合は何の書類なのかわからないケースがあるからです。
同行している方のスマートフォンなどで翻訳アプリを利用するなどの手がありますが、一人の場合は現地の日本大使館を頼る方法もあります。
渡航前のデータバックアップは必須
非日常の海外では、ふとしたタイミングで気が抜けてしまうこともあります。そこで重要なのは、渡航前に「紛失するかもしれない、盗まれるかもしれない」と考えて、準備をしておくことです。
紛失にしろ盗難にしろ、なくなった携帯端末はほぼ戻ってはこないと想定されますので、アドレスや写真など、なくしたくないデータはパソコンなどにバックアップしておくことが大事です。
この時おすすめなのが、クラウドストレージにもバックアップを取っておく方法です。これなら、PCさえあれば海外からでもアドレスデータにアクセス可能で、日本にいる家族や友人を頼ることもできるようになります。
とはいえ、「置き引きによる被害で泣き寝入り」ということにならないためにも、やはり被害を未然に防ぐことが重要。携帯端末はストラップなどを利用して、できる限り身体から離れないようにしておきましょう。
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